- 用語
- 牛皮曼陀羅
- 読み方
- ごひまんだら・ぎゅうひまんだら
- テーマ
- 社会
歴史
伝統
昔の製品
- 解説
-
真言宗の僧仁海が、亡き母の生まれ変わりとして世話をしたウシの皮を曼陀羅(まんだら)に仕上げたもの。仁海は、この牛皮曼荼羅をまつり、正暦2年(991)に「牛皮山曼荼羅寺(ぎゅうひさんまんだらじ)」を創始した。その後「随心院」に改名し、門跡寺院となる。寺院は、応仁の乱後に衰退するが慶長4年(1599)に復興し、現在も京都山科の地にある。
院には牛皮で作ったとされる両界曼陀羅は残っていないが、同時期に仁海が作ったとされる牛皮華鬘(ごひけまん)(平安時代後期)が伝わる。牛皮をなめしてこれを曼陀羅とした例は仁海のみの特異なものではなく、四国八十八ヶ所の内のひとつである曼陀羅寺がある。
また、高野山正智院にも江戸期の作とされる「小野牛皮曼荼羅図」2幅が寺宝として伝わっている。牛の寺として知られる兵庫県養父市の円光寺(大日寺)には、江戸時代の初めに堂宇が壊滅し、再建のため高野山正智院に多大な寄付金を仰いだため、寺宝の曼陀羅を寄進したとの伝承がある。