皮革用語詳細

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用語
黄変 --おうへん--
Yellowing, Turning yellow
意味
皮革の黄変は、主に次のような要因によって起きると考えられている。
1)熱や紫外線などによってウレタン樹脂のような仕上げ剤自身あるいは樹脂中の安定剤成分、鞣剤や加脂剤などが変質した結果、発色原因となる化合物が仕上げ塗膜や革中に生成する。黄色~茶褐色の植物タンニン鞣し剤は紫外線によって淡色化するが、魚油などの不飽和脂肪酸を含有する加脂剤で加脂した植物タンニン革では不飽和脂肪酸の酸化に伴って濃色化する。
2)NOxなどの大気汚染ガスをはじめとした黄変を引き起こす化合物と接触することで、化学物質や高分子素材が化学的に変質し、発色原因となる構造体が革や仕上げ塗膜中に生成したり付着したりする。フェノール系酸化防止剤であるBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、段ボールや畳などから発散するリグニン誘導体であるバニリンなどもこの黄変に関与している。
3) 皮革製品に付着した汗や人体の皮脂の分解によって生じる酸や細菌、酵素などの作用を受けて黄色く変色することもある。この場合においても、紫外線や熱、水(湿度)、酸素などが相互に関連することが多い。