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接触(性)皮膚炎

読み方
せっしょく(せい)ひふえん
英語
Contact dermatitis
意味
ある特定の外的要因が皮膚に接触したことによって生じる湿疹性病変をいう。代表的なアレルギー性皮膚炎の原因物質は、金属(ニッケル、コバルトなど)、植物(ウルシ、ブタクサ、サクラソウ)、医薬品(抗生物質、抗ヒスタミン剤など)、化粧品(マニキュア、制汗剤など)などに接触した部位にアレルギー反応による湿疹を起こすものである。特に、金属アレルギーは時計バンド、アクセサリー、指輪などで起こっており、最も多いのがアクセサリーであるといわれている。アクセサリーにはめっき処理が施されており、その下地にはニッケルが最も多く利用されている。発症は個人差が大きい。
原因物質は貼付試験(パッチテスト)や皮内テストで特定できる。医学系の書物などには、皮膚炎の原因物質の診断として、次のような例がある。「靴着用中にかぶれを起こし足底全面に重症の湿疹を確認。靴底の切れ端を水に浸したものとクロムの両方のパッチテストが陽性反応を示したことから、革靴から溶出したクロムによる接触性皮膚炎と診断した。」しかし、靴底から水で溶出した物質がクロムであったかどうかの確認がなされていない。また、着用中には製造に使用した種々の薬品、着用中に外部から付着した化合物などさまざまな物質が足に付着することが考えられる。
3価クロムはタンパク質、アミノ酸や有機酸など有機物と強く結合するため鞣し効果があり、皮膚表面にとどまり浸透し難い。一方、炎症原因究明のためのパッチテストに一般的に使用される6価クロムはタンパク質など有機物とは結合し難く、皮膚表面から浸透しやすい。パッチテスト用のクロムは、重クロム酸カリウム(6価クロム)で毒性が強く、皮膚表面から浸透しやすいため人体はこれに陽性反応を示しやすい。接触性皮膚炎は原因を特定することができれば、その原因を取り除くことで治す可能性がある。
6価クロムは鞣し効果が無いので皮革の鞣しには使用されていない。皮革製品のpHは酸性~弱酸性(pH3~5)で、仮に6価クロムが存在したとしても不安定で3価に変わりやすい。
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