仕上げ膜の革との接着強さを示し、JIS K 6555:1995に試験方法が掲載されている。標準状態での剥離試験のほかに、湿潤剥離、老化剥離及び屈曲剥離試験がある。JIS法に準ずる簡便な方法としてセロハン粘着テープなどを塗膜の上から貼り、ついでこれを引き剥がして塗膜が粘着テープに移行する状態を観察する方法があるが、測定結果の変動が大きい。JISには基準値は規定されていない。
試験方法の国際規格としては、ISO 11644:2009(IULTCS/IUF 470)がある。ISO履き物(草案)の要求性能は、乾燥試験で3.0 N/10 mm、湿潤試験で2.0 N/10 mmである(ISO 17698:2003)。ドイツ皮革産業、靴工業会は、銀付牛革では乾燥試験で3.0 N/10 mm、湿潤試験で2.0 N/10 mm、バフした牛革では乾燥で5.0 N/10 mm、湿潤で3.0 N/10 mm、ボックスカーフ、グレイズドキッド、ラムスキン革のような薄い仕上げのファッショナブル革の乾燥試験で2.0 N/10 mmと規定している。椅子張用革の特性-家具用革(草案)ISO/DIS 16131では最低2.0 N/10 mmの推奨規格値を提供している。ドイツ皮革協会は、家具用革で2.0 N/10 mmと規定している。EC皮革研究所ではナッパ革で2.5 N/10 mmと規定している。

≪JIS K 6555仕上げ塗膜の剥離強さ試験機≫