• ホーム
  • 付録
  • 皮革用語辞典について
  • スマホアプリ紹介

キーワードから検索する

50音順から検索する

あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ    
ら り る れ ろ
わ を ん    

アルファベットから検索する

A B C D E
F G H I J
K L M N O
P Q R S T
U V W X Y
Z        
皮革用語辞典アプリのダウンロードはこちらから!
ページを印刷する

スピュー

読み方
英語
Spew, Spue
意味
革表面に析出した白色の固体又は暗色の粘質物。仕上げ革の大きな欠点となる。主に加脂剤や原皮中の地脂<じあぶら>(動物の体脂肪)に存在する高融点の遊離脂肪酸、グリセライドワックスなどからなるファットスピュー。硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウムからなるソルトスピュー。魚油の酸化生成物による樹脂状スピューや植物タンニン鞣し革に生ずる糖がある。いずれも革中の水分移動によって発生するとされている。
ファットスピューとソルトスピューの見分け方は、脂肪の融点が低いため加熱すると融解していったんは消える。ソルトスピューは加熱しても消えないが、水に溶けるため水を含んだ布などで拭くと消える。革中にスピュー成分となる油剤や塩分が残っていると再び出現するのでいったん発生すると、再発しやすい。シープ革などの場合、地脂によるスピューは背筋にそって部分的に発生しやすいが、加脂剤が原因の場合はスピューが革全体に均一に発生することが多い。
ファットスピューの場合、脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーで分析することによって、加脂剤によるものか、又は地脂によるものなのかその由来がわかる。脂肪酸組成は動物や植物の種類によって異なり、同じ種類であればほぼ同一パターンである。さらに、加脂剤中のスルホン化油硫酸化油亜硫酸化油などにおいても未反応の中性油が存在するため、加脂工程で使用したそれぞれの加脂剤中の中性油組成を分析すれば原因となった加脂剤が判明する。一方、国内産の加脂剤では製造工程中で油脂を冷却して生成した固形油脂を取り除いている(脱ろう又はウインタリングと呼ばれている)ので、スピューは発生しにくくなっている。
≪菌糸様ファットスピュー(×30)≫
≪菌糸様ファットスピュー(×30)≫

≪ソルトスピュー≫
≪ソルトスピュー≫
トップへもどる