石油系溶剤
- 読み方
- せきゆけいようざい
- 英語
- Petroleum solvent
- 意味
- JIS規格では石油系溶剤(試薬)。石油エーテル、石油ベンジン及びリグロインの3種類が規定されている。 それぞれの沸点はこの順に30~60℃、50~80℃、80~110℃に90 vol%以上留出のことと規定されている。いずれも低沸点のため、火気に十分な注意が必要である。
石油エーテルは、3種類のうち最も軽質であり、分析試薬用あるいは洗浄用に幅広く使用されている。1995年の改訂により、密度(20℃)についても0.620~0.660と規格が追加され、沸点と密度の関係から構成成分として、C5パラフィン及びC6のイソパラフィンが挙げられる。エーテルの名前がついているが、エーテル基のある化合物は一切含まれていない。なお、軽質パラフィンのため溶解性パラメータの値が低く、シリコン系ゴムに影響があるので注意が必要である。
石油ベンジンは、しみ抜き用、洗浄用、塗料用に使用され、主成分はノルマルヘキサン及びイソヘキサンである。かつてはベンゼン含有のものも市販されていたが、現市販品はベンゼンフリーである。
リグロインは、工業ガソリンのゴム揮発油に似ているが、沸点範囲が狭くやや軽質である。 白金カイロ用燃料としても適している。トルエンを若干含むので毒性に注意が必要である。