革の色落ち、変色などを試験する方法で、特に摩擦に対する染色堅ろう度を評価する試験。クロックメータ(crock meter test、摩擦試験機Ⅰ形)、学振形摩擦試験機(摩擦試験機Ⅱ形)、IULTCS RUB fastness tester(往復試験)を使用する方法などがある。皮革の試験法については、JIS K 6547:1994、およびISOではISO 11640(IULTCS/IUF 450) :1993、ISO 20433:2005 (IULTCS/IUF 452)に規定されている。
JIS K 6547:1994では、クロックメータ又は学振形を使用する。革を乾燥又は各種の溶液で浸した綿白布により一定荷重をかけ、往復運動により革の表面を摩擦し、その結果生ずる革の変退色及び白布の汚染をグレースケールで判定する。この評価の結果を染色摩擦堅ろう度という。乾燥、湿潤、有機溶剤及び汗試験の4方法がある。
ISO 20433:2005では、クロックメータにより乾燥と湿潤摩擦試験が規定されている。評価方法も詳細に記載されている。摩擦用布の表面に残っているほこり及び繊維状の物質を軽く拭き取るか、又は透明な粘着テープの粘着面を使用し注意深く取り除く。染料の汚染による着色だけを考慮する。試験で使用した白布に、未使用の白い摩擦用布で3層の裏をつけて評価することが規定されている。日本エコレザー基準(JES)*ではISO 11640:1993が試験方法として規定されている。この方法は、白と黒の羊毛フェルトを用いて乾燥と湿潤の試験を行うことが規定されている。
≪染色摩擦堅ろう度試験機≫
≪摩擦試験機Ⅰ型(クロックメーター)≫≪摩擦試験機Ⅱ型(学振型)≫