太鼓、太鞁(楽器)
- 読み方
- たいこ
- 英語
- 意味
- 木などの円形で中空の胴に皮を張り、これを手又はばちで打って響かせ鳴らせる楽器。音楽の分類では膜鳴<まくめい>楽器と総称する。平たい胴の両側に皮を張った形のものをタイコと呼んでいる。太鼓には大小、用途別など種々に考えられるが、およそ3つに分類される。
1)皮を直接胴に当て、皮の縁にひもを掛けて締め皮の張りを確保する。次のものと区別するため枠無締太鼓という。東日本に広がる三匹シシ舞で使われている太鼓、群馬県境町の5世紀中期の前方後円墳天神山古墳から出土した5世紀半ば頃のものと推定されている「腰に抱えて太鼓を打つはに(埴)輪」などがこれに属する。
2)胴よりも大きめの輪に皮を縫いつけて張り、同時に輪に数カ所ひもを付ける。それを胴に密着させて締め付け皮の張りを作る。①よりも強い張りを確保できる。枠付締太鼓という。鼓<つづみ>は基本的にこの張り方になっている。太鼓では大相撲呼び込みに鳴らされる平太鼓、四天王寺や熱田神宮の精霊会で披露される火炎太鼓などがこれに属する。素材的にも鼓と太鼓には決定的な違いがある。鼓<つづみ>が胴は桜材で皮が馬皮、これに対して、太鼓の胴はけやき(欅)を最上としてシオジやセン(栓)など堅木に牛皮を張る。
3)ひもを付けた皮で胴に直接密着させて締め付けた後に木釘、びょう(鋲)によって張り皮を胴縁に直接留める。鋲留太鼓<びょうどめだいこ>という。皮面が1mを越す宮太鼓、祭り太鼓が代表的なものである。現在では皮面3尺(90cm)以上を大太鼓と呼んで区分している。
≪大太鼓≫
写真提供:財団法人浅野太鼓文化研究所