調帯
- 読み方
- ちょうたい
- 英語
- Timing belt
- 意味
- モーターと機械をつなぐ動力伝動用ベルト。『ニッタ株式会社百年史』によると動力伝動用革ベルトの製作は明治21年大阪紡績株式会社(後の東洋紡績)からの依頼によって新田長次郎が実用に耐える国産ベルトを作った。これがわが国最初の製品となった。巾38ミリの国産タンニン鞣し革を用いたもので、最も困難な接合部を糸縫合とした。その後、接合部の工夫を重ね革で縫う方法へ、さらに22年にはアイシングラス(魚の浮き袋からのにかわ(膠))での接合に成功し、明治37年に至って銀面三分裏面七分を割って挿接する製法特許を申請する。大正5年には強力な耐水性糊(セルロイド糊―現在のボンド糊)が使用された。
明治30年頃まで日本で作られるタンニン革は堅くて曲げると折れてしまうものが多かった。明治の早い段階は高価なドイツ革、ついで安価な「南京革」、明治中期にはロシアの「紫革」などの輸入皮革に頼らざるをえなかった。新田はタンニン鞣しの技法と改良にも尽力をおこなった。タンニンを含む樹皮を刻んだ桶に漬け込む方法から、皮を吊して桶に入れる方法へ、またタンニン抽出の桶と皮を漬け込む桶を別々にするなどの考案をはかった。