姫路革文庫
- 読み方
- ひめじがわぶんこ
- 英語
- 意味
- 江戸時代の姫路で土産物として、大中小の種類のある鞣し牛革に精巧な革装飾を施した箱をいう。革文庫に限らず姫路革細工の特徴として文様、文物を彫った木版(大正以降に金属板が登場し、戦後になって普及する)を革銀面に押し当てて型出しで立体化する工法がある。これを称して姫路革といった。
兵庫県伝統工芸品1号に指定された名定一呂の工法の概要を示す。型どりに切った張木地の端や織り込んで重なる部分を削って厚みを調整する(こば取り)。型押しする上箱の革裏面にフノリ(昔はこんにゃくだま(蒟蒻玉))を塗り布を被せて全体の湿りを与え金型(木版使用もあり)を置いてプレス機をかける。陰干しして数回漆を塗る。シボを出すため揉みを行い、更に漆を塗る。革裏に和紙を貼り、成形糊付けをし、四隅を縫い合わせる。型押しに随い金箔や絵具、墨を入れて完成する。なお、姫路革のことを姫革と称して姫革文庫とか姫革細工を示す例が多くなっているが、これは1960年代以降につけられた商業的な名称である。
- 関連リンク
- 文庫革白鞣し革