豚皮
- 読み方
- ぶたがわ
- 英語
- Pig skin
- 意味
- ブタの皮。世界各国で飼育されているブタの品種は100余種以上である。主な品種としてヨーロッパ種(ランドレース、大ヨークシャ種、バークシャ種、その他、ランドレースなど)、アメリカ種(ポーランド、チャイナー、ハンプシャー、チェスター、ホワイトなど)、アジア地帯の種(中国ブタ、台湾ブタ、琉球ブタなど)がある。
豚皮の最大の特徴は、毛(剛毛)が3本ずつまとまって全皮厚(銀面から肉面)を貫通している。表皮が皮全体の1~3%を占めて毛根の末端が皮下組織に達しているために、豚皮は網様層を欠いた乳頭層だけからなっているといえる。バット部は線維束が太く、走行角度も大きく充実して密度が高い。ほかの部位に比べて組織が密なため硬くなりがちで、均一な柔軟性が得にくい。しかし、組織を構成するコラーゲン線維は牛皮より細く、緻密である。このためバッフィングにより繊細な起毛の革が得られる。そのほかの部分は交絡程度と密度は劣る。
銀面は凹凸が多く、大きな凸凹面にさらに小さな凹凸がある松かさの鱗片のようで、これが豚革特有の突起の多い銀面模様となっている。また、真皮は毛包や皮脂腺などが少ないので充実しているため、繊維の緻密さを活かして型押し革として、靴、鞄、時計バンド、また毛穴の通気性を生かして裏革、衣料革、手袋革などに利用される。
≪豚革 表面≫
≪豚革 断面≫