ブロンズ現象
- 読み方
- ブロンズげんしょう
- 英語
- Bronzing
- 意味
- 染色革又は仕上げ塗膜の表面をいろいろな角度から見てみると金属の輝きに似た複雑な微妙な色が地色の上に浮かび上がってくるのが観察されるが、これがブロンズ(bronze)。ブロンズの発生についてはさまざまな理論が発表されているが、余り明確にはなっていない。ブロンズを示している表面を電子顕微鏡で調べると、不規則な大きさの結晶が層を形成しているのが確認できる。このために、表面層で色光が不規則に選択的な反射してブロンズが生ずることがある。ブロンズのある面を水や油で濡らしたり、ラッカーなどをかけたりするとその面のブロンズは消失してしまうことがある。このようなブロンズを表面ブロンズと呼ぶ。また、玉虫の羽根やシャボン玉のように膜面で反射した光が干渉して色を生ずるものを干渉ブロンズと呼ぶ場合もある。
発生原因として、染料と皮革繊維との結合性が低い場合に染料が表面に移行して結晶化する。あるいは、表面染色などで色素の会合が生じると発生しやすくなることなどが考えられる。また塩基性染料は光に対する堅ろう度が非常に低く、脱色してくるとブロンズが発生することがある。このほか、顔料が原因の場合もあり、耐候性の悪い塗料の使用、顔料の分散不良、顔料濃度が高すぎる時に起きると考えられる。
≪ブロンズ現象の発生した皮革衣料≫