革ばかま(袴)
- 読み方
- かわばかま
- 英語
- 意味
- 平安時代の私撰歴史書といわれる『扶桑略記』に甲ちゅう(冑)、貫<つらぬき―革沓>とともに革ばかまも出てくる。下総の戦国大名『結城法度』において革袴は公式行事にはふさわしくないから着用しないようにとあり、武士に広く行き渡っており、あらたまった席にそぐわないほどになっていた。しかし、織田、豊臣時代になって大名、上級武士の公式衣装となったようである。最も愛用され普及したのは裾部分を絞った裁着袴<たっつけばかま>で、これを戦国期に活躍した伊賀者の服装から江戸時代には伊賀立付<いがたっつけ>といった。信長の馬揃えに用いられたことでも有名。戦国武将の革ばかまの遺品は各地に比較的残っている。ズボンが発達しなかった日本では江戸時代の中期頃から職人、労働用として庶民にも伊賀立付が使用されるようになり、一部が革ぱっち、革の伊賀はかまとして製作されるようになった。