鞍
- 読み方
- くら
- 英語
- Saddle
- 意味
- 荷駄、田耕き<たすき>のためにウシに鞍をつけることもあるが、一般には乗馬用の鞍をいう。西洋馬の導入後は鞣し革の鞍であるが、前近代では古代に中国からもたらされた唐鞍の伝統により木鞍が主流であった。しかし鞍は単独では乗馬できず、銜<くつわ>、絆綱<たづな>、手綱<たづな>、鐙<あぶみ>、鞍橋<くらぼね>、下鞍<したぐら>、鞦<しりがい>、鞭<むち>などが整ったものを鞍具と呼んでいる。これを形式から大和鞍、やや簡便な水干<すいかん>鞍という。
実際にはこれ以外にもあぶみ(鐙)を固定する力革や、泥はねや履き物の汚れがウマに付くのを避けるために両腹に取り付けた障泥<あおり>などが伴った。これらの内、絆綱、下鞍の上側に敷く切付<きっつけ>、しりがい、むち、力革、障泥<あおり>は皮革製品が多かった。