口てい(蹄)疫
- 読み方
- こうていえき
- 英語
- FMD : Foot-and-mouth disease
- 意味
- 家畜の伝染病の一つ。ブタ、ウシ、スイギュウ、ヤギ、ヒツジ、シカ、イノシシなどのひづめ(蹄)が偶数に割れている動物(偶てい類動物)やゾウなどが感染する口てい疫ウイルスによる感染症。口てい疫に感染すると、発熱したり、口の中やひづめの付け根などに水ぶくれができたりするなどの症状が現れる。子ウシや子ブタでは死亡することもあるが、成長した家畜では死亡率が数%程度といわれている。しかし、偶てい類動物に対するウイルスの伝播力が非常に強いので、措置が必要となる。治療法はないため、日本では家畜伝染病予防法に基づき、まん(蔓)延防止のため家畜の所有者によると畜が義務づけられている。アジア、アフリカ、南米に発生が続いている。この病気は、皮革の原料となる動物に関係しているので、病気が発生するとその影響は大きい。特に豚皮は年間1400万枚を原皮として海外に輸出しているので、その輸出停止は非常に大きな問題となる。輸出国において輸出国の政府機関が行う検査に合格し、当該機関が発行した検査証明書を添付して輸入しなければならない。指針では、生皮(家畜及び野生の反すう(芻)動物及びブタのもの)については、2%炭酸ナトリウムを含む海塩で28日間以上塩漬けすることが条件となっている。ただ、輸出検疫証明書には上記に加えて、下記の条件でも良いことになっている。アルカリ溶液(pH 11.5以上で)48時間以上浸漬されていること、又は酸性溶液(pH 3.0未満)で48時間以上浸漬されていること。この条件は石灰漬けやピックルがなされたものは輸出できることを意味している。