皮革用語詳細

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用語
エラスチン 
Elastin
意味
真皮(含有量2~5 %)、動脈(50 %)、じん帯(78~80 %)、結合組織などにみられる弾性線維を構成するタンパク質。コラーゲン線維を支える役割がある。熱水、希酸、希アルカリに安定で、高い不溶性を示す。粗製トリプシンにはエラスターゼが混在しており、エラスチンは分解される。エラスチンが存在する組織は、必ずコラーゲンも存在しており、両者を変性させずに分離、精製することは難しい。エラスチンにはデスモシン、イソデスモシンという特異的なアミノ酸が含まれており、これはピリジン環をもった多官能性アミノ酸で、エラスチンにおける架橋結合に重要な役割をもっている。エラスチンのアミノ酸組成は、グリシン、アラニン、バリン、プロリンなど疎水性アミノ酸が多く、ヒドロキシプロリンはわずかに含まれ、シスチン、メチオニンなどの含硫アミノ酸は含まれていない。多数の架橋の形成による多鎖状を成している構造、すなわちポリペプチドの分岐の多い網状構造と考えられ、また最近は、エラスチンもコラーゲンと同様に遺伝的に異なる分子種の存在が報告されている。革での役割は不明である。
関連リンク
弾性線維