皮革用語詳細

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用語
人工皮革 --じんこうひかく--
Artificial leather
意味
革と類似の組織構造を持ち、類似の目的に使用される人工材料の総称。人造皮革あるいは擬革ともいう。我が国では合成皮革とは区別している。人工皮革は、表面だけでなく内部構造も天然皮革に模して製造されたもの。極細繊維(ナイロン、ポリエステル、レーヨンなどのマイクロファイバー)の立体構造を持つベース(通常は不織布)に合成樹脂を含浸させたものを、そのまま使うか、それをベースとし、さらに合成樹脂を塗布し銀面模様を付けて微細な連続気泡のある構造となっている。しかし天然皮革の三次元立体構造を再現するには至っていないので、断面構造の状態は天然と人工皮革の区別に利用されている。一般的に見かけの比重が小さく軽量であるが、引張強さや透湿性は天然皮革に劣る。衣料用としての薄物や靴に使われる。
衣料用のスエードタイプの人工皮革なども存在し、触感、耐久性、加工性などは合成皮革より人工皮革の方が良いといわれている。
JIS K 6601に靴の甲材料として人工皮革の定義があり、靴甲用人工皮革とは“高分子物質を繊維層に浸透させ革の組織構造に準拠して造られたもので、高分子物質は連続微細多孔構造を持ち、繊維層にランダム三次元立体構造を持つ靴の甲材料をいう”。
なお、合成材料では”Leather”を使用することはできなくなりつつあり、例えばISO 17131では Synthetic material with a PVC coating、あるいはSynthetic material with a polyurethane coatingのような表現が行われている。
関連リンク
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