皮革用語詳細

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用語
水素結合 --すいそけつごう--
Hydrogen bond
意味
 2原子間に水素原子が介在することによってつくられる結合。すなわち水素原子が分子内あるいは分子間で、X-H----Yのごとく、X、Yの2原子にわたってつくる結合。X、Yは電気的に陰性な原子(窒素、酸素、硫黄、塩素など)であることが必要である。水素結合の結合のエネルギーは、極性分子の間の分子間力に比べて10 倍程度大きく、しかも引き合う向きと、数が決まっている。さらに、共有結合(100~1000 kJ/mol)のような化学結合に比較すると小さく10~40 kJ/molである。したがって、共有結合と分子間力の中間に位置するタイプの結合ともいえる。水素結合は、氷や水の中の水分子同士の結合、タンパク質の高次構造安定、タンパク質同士又はそれと水や極性物質との結合などに関係する。
水素結合は切断と形成が容易に行われており、皮革製品が水にぬれると水素結合が切断され膨潤するが、乾燥するとより多くの水素結合が形成されて硬化や収縮すると考えられている。また加脂剤防水剤は水素結合の生成を抑制する効果がある。