皮革用語詳細

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用語
加脂剤 --かしざい--
Fatliquoring agent
意味
 加脂の目的に使用する油剤類の総称。大きく分けると、ある程度の炭素鎖長を持ったアルキル鎖に陰イオン性の極性基(硫酸基、スルホン酸基、亜硫酸基、カルボキシル基、リン酸基など)及びノニオン性化合物(高級アルコール、モノ及びジグリセライド)やエチレンオキサイド基、ソルビット基などが結合した界面活性剤成分と中性油(室温で液体のトリグリセライド、天然油や石油系合成油)の乳化混合物でミセルを形成している。極性基の種類やアルキル鎖長の分布によってミセルの大きさや安定性が変化し、革に対する反応性や加脂効果が異なる。
原料油として、ひまし油パーム油菜種油などの植物油、牛脚油羊毛脂、牛脂、豚脂ミンク油、魚油などの動物油及び流動パラフィン、スピンドル油、マシン油など石油製品などが使用されている。市販の加脂剤は、単独組成の物は少なく、目的の効果が得られるように種々の加脂剤を配合している。