皮革用語詳細
用語
ミセル
Micelle
意味
界面活性剤などの分子が、ある濃度以上になると急に集合してつくるコロイド状の粒子。
界面活性剤
は下図のように、炭素と水素から成る鎖状の油になじむ部分 (親油基) と水になじむ部分 (親水基) から出来ている。ミセルは、水中で界面活性剤が一定濃度以上で親油基を内側に親水基を外側に向けて配向した会合体である。ミセルの内部は親油性で水に溶けない油(
中性油
)を溶かし込むことができる (これを可溶化 solubilization という)。通常の界面活性剤が比較的低濃度の条件で作るミセルは球状ミセルで、 数十から百数十分子が集まって直径数十 nm (ナノメートル) の球状に会合する。製革工程で使用される天然油や合成油の
硫酸化油
、
亜硫酸化油
や
スルホン化油
などの
加脂剤
は
中性油
を内包した球状ミセルを形成している。
乳化加脂
工程においては、皮革断面の繊維内部まで浸透させるため、ミセルの大きさはできるだけ小さく、安定性の良好なものが望ましい。
≪界面活性剤の模式図≫
≪中性油を内包した球状ミセル≫
関連リンク
加脂