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皮革の損傷

読み方
ひかくのそんしょう
英語
Damage of leather
意味
 皮革及び皮革製品の損傷。その原因は、多種多様であるが次のようなことが考えられる。機械的強度の基準値は、日本工業規格(JIS)に一部定められている。しかし、規定値を大きく外れて、破断や破れなどの損傷が発生することがある。多くは以下のように、原皮、製造時や使用時に原因が存在する。
1) 皮革素材による:羊革、特にウールシープ革のように繊維構造がルーズな革は機械的強度が規定値より低い場合がある。衣料用革甲革などの場合、一般的に部位差による強度の変化があるため、物理的に荷重が負荷される場所にはベリー部のような強度が低い部位の使用を避けねばならない。皮革の厚さを漉いて減少させると、機械的強度は加速的に低下するため。薄く漉きすぎると破れやすくなることがある。
2) 原皮保存や輸送:原料皮の損傷がある場合や施塩不足などで保存中の細菌繁殖により線維が劣化する。塩に含まれるマグネシウムやカルシウムなどが保存中に不溶性の結晶として析出すると線維構造が破壊される(塩斑)。輸送中に高温(40℃以上)になると線維タンパク質が変性して強度が低下する。
3) 皮革製造中:原皮の耐熱性液中熱収縮温度)は約60℃前後であるが、鞣しによって向上する。しかし、染色工程や仕上げ工程中において高温にさらされることがある。皮革製品は湿潤状態では耐熱性が低下するため、高温にさらされると繊維が劣化することがある。さらに強酸やアルカリ性薬品を使用するため、不用意にこれらの濃厚な薬品に直接触れると強度が低下する。
4) 皮革製品の使用又は保存中:紫外線、水分や大気成分などによるpHの変化や油脂の酸化促進、さらに汗の成分による脱鞣しが促進されるため、機械的強度に影響を与える。
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