鉄イオン
- 読み方
- てついおん
- 英語
- Iron ion
- 意味
- 鉄イオンには2価と3価があり、2価イオンは還元剤として使用される。皮革製造において鉄イオンは望ましくない存在で、皮革製造に頻繁に使用される植物タンニンは鉄イオンと反応して黒色の鉄じみを生成する。明治時代以前の日本や中国南東部、東南アジアの風習であるお歯黒<おはぐろ>(鉄漿)は、鉄イオンと植物タンニンとによる発色の典型的な例で、昔は皮革の染色にも利用されていた。鉄イオンは加脂剤とも反応して不溶性の金属石けんを生成する。少なくとも再鞣し以降はカルシウムなどのアルカリ土類金属イオンや鉄などの金属イオンを含まない軟水の使用が望まれる。一方、3価の鉄イオンは鞣し効果が認められるが、まだ実用化には至っていない。
- 関連リンク
- 還元剤鉄鞣し