天然染料
- 読み方
- てんねんせんりょう
- 英語
- Natural dyestuff
- 意味
- 動植物体から分離された色素で繊維に対して染色性のあるもの。天然染料は、昆虫、貝類などから色素を採る動物染料と、葉、花、樹皮、根などから色素を染料として利用する植物染料に分類できる。また厳密には染料ではないが、鉱物や植物のエキス化した顔料も利用されている。
動物染料は、サボテンに付く虫のコチニール、貝殻虫の一種のラッグダイ、ムラサキガイから得られる古代紫などごくわずかしかない。天然染料のほとんどが植物より抽出している。植物染料として、藍<アイ>、サフラン、ベニバナ、へマチン(ログウッド)、アカネ(茜)などがあり、天然染料が「草木染め」とか「植物染料」と一般にいわれている由縁である。
染色方法は、クチナシやウコンのように無媒染のもの、天然の灰汁<あく>、鉄漿、泥及び鉄、アルミ、錫、銅、クロムなどの金属塩を利用した媒染染色、および藍染めのように還元染色する方法がある。天然染料は、一般的に合成染料で染色したものに比べて堅ろう度が低く、特に日光、水、摩擦、酸、アルカリ、金属に弱いという欠点がある。