厚さ
- 読み方
- あつさ
- 英語
- Thickness
- 意味
- 革の銀面から肉面までの断面の厚さをいう。生皮の厚さは動物の大きさに依存する。大動物の皮は厚く、同一の動物でも年齢とともに厚さは増大する。したがって非常に厚い皮は、小動物皮又は年齢の若い動物の皮からは得られないし、逆に非常に薄い皮は大動物の皮からは得られない。
革の厚さは製革工程中に製品革のタイプに応じて分割やシェービングで調節するので、生皮の厚さとは直接の平行関係にない。製革工程で革の厚さを変えると、鞣剤、染料、加脂剤などあらゆる薬品の革への結合と革内の分布が変わるので、革の物性や外観にも顕著な影響を及ぼす。また、製品革の裏面(肉面)をバフィングで厚さの微調整を行うこともあり、さらに、革の用途によっては革すき(漉)機を使用して全面又は局部の厚さを調節することもある。
皮革の厚さを漉いて減少させると、機械的強度と厚さの関係は比例関係ではなく加速的に低下する。薄すきすぎた皮革製品による破れを生じる事例がある。厚さの正確な調整は製革作業を適切に管理するために重要な手掛かりとなる。
皮革の厚さは測定方法によって大きく変化するため、統一された器具を使用して、一定条件下で測定する必要がある。皮革の厚さ測定方法は、JIS K 6550に測定条件が規定されている。すなわち、厚さ計を使用して0.01 mm単位で測定し、0.1 mm単位で表示する。測定子の直径は10±0.1 mm、加圧荷重は3.85±0.1 N (390±10 gf)である。
≪厚さ計≫