油鞣し
- 読み方
- あぶらなめし
- 英語
- Oil tannage
- 意味
- 不飽和脂肪酸含有量の多い魚油などの動物油で皮を鞣す方法。一般にはセーム革の鞣しのことをいう。皮を石灰漬け及び脱毛し、さらに多くの場合は銀面層も除いて脱灰、ベーチングした後、過剰な水分を除いた後、魚油(主にタラ油)を浸透させ、湿度と温度を調節しながら油の酸化と酸化生成物の皮との結合を促進させる。魚油中の不飽和脂肪酸が酸化して生ずるアルデヒド類及び不飽和脂肪酸の酸化重合で生成した種々の酸化生成物が、皮のタンパク質に結合、又は吸着することによって鞣しが行われると考えられている。柔軟で耐洗たく性があるが、機械的強度が弱く熱収縮温度が低い。全く異なる古典的な油鞣し法として植物油(主に菜種油)を用いる姫路白鞣しがある。
- 関連リンク
- セーム革