三味線皮
- 読み方
- しゃみせんがわ
- 英語
- Samisen leather (Japanese balalaika leather)
- 意味
- 三味線は邦楽器としてはごく新しいものである。伝存する最古の三味線は銘が「淀」と呼ばれた慶長2年に豊臣秀吉の命によって京都の神田治光が作ったとされる(元東京芸大、現個人蔵)。中国から遅くとも14世紀には琉球宮廷に三線<さんしん>として伝わった。
三味線に張る革は早くから猫皮に固定されている。ただし明治初期に金木出身の仁太坊(1857~1928)という盲目の三味線弾きが津軽三味線を工夫する。津軽三味線は当初から犬皮であった。現在では猫皮の確保が困難になり稽古用の三味線には犬皮、合成皮革が用いられるようになっている。その塩生皮では十分脱塩し、裏打ちし、水酸化ナトリウム液に漬け、せん刀で細毛をも十分に除去する。その後皮カンナで裏漉きし、再び水酸化ナトリウム液に漬け、台上で圧出して脱脂を十分に行う。この後水を絞り板張り、乾燥して仕上げる。猫皮一枚で胴の両面になる。工程上は犬皮も同じである。科学的には鞣されていないので、生皮<きがわ>に属する。