革や革製品が使用中や保管中に受ける様々な作用に対する色の抵抗性を表す尺度。染色された色は、摩擦、水、汗、光（日光、蛍光灯など）、有機溶剤、熱、ガス、洗濯など又はこれらの複合した作用により影響を受ける。染色堅ろう度の低下は、主に染料と革との染着力が低いことに原因がある。また、上記の作用因子により革に含まれる染料、顔料、鞣剤、加脂剤、仕上げ剤などが理化学的変化を起こすこと、それらが革中又は革からほかの物体へ移動すること及び革繊維の理化学的変化に起因する。革試験片の変退色で評価する場合と、試験片からほかの物体（白布など）への汚染（着色物の移動）で評価する場合がある。等級は数値によって表示し、1級が最も汚染、変退色の度合いが大きく、5級（標準変色票（グレースケール））が汚染、変退色しない。耐光に関する堅ろう度は1級が最も変退色し、8級(ブルースケール使用)が変退色しない。作用因子の種類により、個々の規格が規定されている。 皮革の試験方法は、JIS K 6547革の染色摩擦堅ろう度試験方法、JIS K 6552衣料用革試験方法があり、JIS K 6551靴用革、JIS K 6553衣料用革、JIS K 6601靴用人工皮革に基準値が規定されている。
