免疫
- 読み方
- めんえき
- 英語
- Immunization, Immunity
- 意味
- 皮革製造において、毛付き原皮の石灰・脱毛工程で起こる脱毛不完全トラブルの一つ。通常の脱毛作業においては、毛、表皮を形成するケラチンタンパク質に多く含まれる含硫アミノ酸であるシスチンは、硫化物によるS-S架橋の還元切断により分解され、これによる毛ケラチンの分解が脱毛の条件となっている。しかし、脱毛浴中の硫化物が作用する前に強アルカリが毛ケラチンと接触するとシスチン(シスチン架橋:S-S架橋)が消えランチオニン(ランチオニン架橋:-S-架橋)に変換され硫化物の作用を受けなくなり(硫化物に対する免疫)、ケラチンの分解が進まなくなる。この状態になると脱毛が正常に進行しない。
一方、この現象はヘアーセービング脱毛法として応用されている。すなわち、毛を硫化物で軽く処理した後、免疫化で不溶化し、硫化物と消石灰で毛根を緩めて、機械的に脱毛する。毛を溶解しないことから廃水中の汚濁物質の低減化と毛の再利用が図られる。この方法は、サイロライム法(sirolime)ともいわれている。