6価クロム
- 読み方
- ろっかクロム
- 英語
- Hexa valent chromium
- 意味
- 工業的に重要なクロム化合物は3価と6価である。毒性の強いのは6価クロム化合物であり、公的な環境基準で有害物質とされている。皮革の鞣しに使用されているのは3価クロムで、6価クロムは使用されていない。3価クロムが表皮のタンパク質、アミノ酸や有機酸などと結合しやすいために細胞膜を容易に通過できないのに比べ、6価クロムは容易に細胞へ輸送され、細胞内で6価クロムが3価クロムに還元される。この過程でフリーラジカルが生成することなどが6価クロムの有害影響の原因と考えられており、6価クロム化合物は3価クロム化合物に比べて有害作用が強い。
また6価クロムはpHが低くなるほど不安定で酸化力が大きい。6価クロムがもし皮革中に存在した場合、ほとんどの皮革製品のpHは3~4の酸性状態にあるため6価クロムは不安定で、かつ吸着水(水分)の存在で3価クロムへの還元が促進され、6価クロムは検出されなくなる。3価クロムを含む廃棄物を燃焼する時、6価クロム生成量は燃焼温度に影響される。すなわち約300 ℃から6価クロムが生成し約600 ℃で最大値となり、それ以上の高温では減少する。