原料皮の損傷
- 読み方
- げんりょうひのそんしょう
- 英語
- Damage of raw stock
- 意味
- 動物の皮膚は、下図のように、虫による傷(ダニ皮、チック、コックル)、イバラや鉄柵などによるかき傷(バラ傷)、病気や糞(マニュア)などによる皮膚の障害などを受ける。また、焼き印(ブランド)といって牧場主が所有を明らかにするため、臀部などに焼きゴテで印をつける場合がある。この部分は火傷として皮膚が損傷されている。
その他に、剥皮の際、ナイフで真皮を傷つける。不溶性の塩により線維構造が破壊され、白色、黄色、褐色の斑点となる塩班。施塩の遅れた皮や塩の不足などでヘアスリップ、アンモニア臭、肉面の変色、銀面の損傷を起こす中ぐされ。原料皮中の油が酸化し、コラーゲンタンパク質と結合して生ずる褐色斑状の油焼け。さらに輸送中にオーバーヒートによる損傷もある。遺伝的要因で発生するパルピーハイドなどが存在する。
このように、原料皮は様々な損傷を受けている場合があり、革の品質に大きく影響する。損傷の大きな原料皮は下級品に位置づけられる場合が多い。
≪原料皮の損傷例≫
- 関連リンク
- 皮革の損傷