皮革用語詳細
用語
防水加工
--ぼうすいかこう--
Waterproof finishing (finish)
意味
水による濡れ、吸水、水の浸透などを防止する加工方法のこと。
防水性
は
はっ水性
と
耐水性
の両者の意味があり、皮革の防水加工方法の例として次の方法がある。
水に不溶性の疎水性物質を革の繊維間に含浸させたり、革の表面に被膜を形成させたりする方法。これらは古くから行われてきた方法で、具体的には
タンニン
、固形脂肪、
ワックス
、ポリマーなどを繊維間に充填させたり、
アクリルポリマー
、ウレタン樹脂などの不透水性被膜を張り合わせたり、塗布することで耐水性を得る方法。この方法はやや耐久性に劣り、
透湿性
、
通気性
、
吸湿性
が低くなり、革の
風合い
も悪化する。
革の繊維表面を疎水化して、防水性を向上させる方法がある。疎水化剤として、金属石けん、フッ素化合物、シリコン化合物、長鎖アルキル基を有する高分子化合物、脂肪酸化合物、
界面活性剤
などを水に分散させたり、有機溶剤に溶解させたりして処理する。これらが革繊維間に浸透して均一に表面を覆い、革繊維と
共有結合
か
配位結合
で化学的に強く結合すれば、耐久性に優れ、液体の水は透過しないが、透湿性や吸湿性など革の特性を損なわない理想的な防水剤となる。
関連リンク
耐水性
はっ水性
防水性