皮革は様々な用途に使用されており、それぞれの用途に応じた皮革素材の性質を評価するための試験方法や規格値が日本工業規格(JIS)や国際標準化機構(ISO)や国際皮革化学者技術者連合会(IULTCS / IUC、 IUP、 IUF)などの国際規格に規定されている。
1)染色堅ろう度試験:染色摩擦堅ろう度試験、汗に対する染色堅ろう度試験、洗濯に対する染色堅ろう度試験、光に対する染色堅ろう度試験(耐光性)、移行に対する染色堅ろう度試験などがある。皮革の試験法として、最も多く行われている。
2) 化学分析試験法:革中の水分、全灰分、脂肪分、クロム含有量、皮質分、可溶性成分、pH、遊離ホルムアルデヒド、 6価クロム、溶出金属、フォギング、アゾ染料などがある。
3)物理試験法:引張強度、引裂強度、伸び、銀面割れ、耐屈曲性、耐摩耗性、耐水度(静的、動的)、はっ水度、吸水度、吸湿度、可塑性、柔軟性、仕上げ塗膜の剥離強さ、耐寒性試験、耐乾熱性試験、燃焼性試験、液中熱収縮温度などがある。
4)試験条件:皮革中の水分量は測定結果(特に物理試験)に大きな影響を及ぼすために標準状態(20±2℃、65±5%RH)で48時間以上放置して試験を行わねばならない。また部位による繊維密度や方向が異なり、部位差が測定結果に及ぼす影響が大きいために、比較的ばらつきの少ない繊維構造を持つ部位から試験片を調製するように定められている。丸革、半裁革、ショルダー、バット、ベリーの各部位についてそれぞれ採取部位が定められている。
≪JIS K 6550における丸革の試験片採取部位≫